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ゲイシャ種『其の壱』
ゲイシャ種『其の壱』
- ■2018/09/17 ゲイシャ種『其の壱』
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そもそも「ゲイシャ」が何かご存知でしょうか?地域名でも、農園名でも、ブランド名でもありません。ゲイシャは栽培品種であり、植物分類の一つです。ちなみに「ティピカ」や「ブルボン」といった名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。これらもゲイシャと同じく、栽培品種にあたります。
【ゲイシャ種の原産地】
ゲイシャ種はパナマで生まれた品種と思われがちですが、実はそうではありません。エチオピア南部にある「ゲシャ」という地域に生えていた品種です。このゲシャが訛って、ゲイシャ種と呼ばれるようになったそうです。
ゲイシャ種というとパナマのイメージが強いのは、原産地がエチオピアにもかかわらず、実際にゲイシャ種が有名になったのはパナマだったからです。
エチオピア原産のゲイシャ種がパナマに持ち込まれたのは、1963年と意外と近年だったのですが、そのきっかけになったになったのが、1950年代にIICA(米州農業協力機構)が中米のコーヒー産業振興のため、ゲイシャも含めて多種のコーヒー豆をコスタリカの研究所に持ち込んだためと言われています。
その後、パナマコーヒーの父親ともいわれる「ドンパチ農園」が、コスタリカからゲイシャ種を持ち込みました。これがパナマ初のゲイシャだとされています。その後、パナマ政府がゲイシャ種を農園に無料配布した結果、パナマ国内で広まっていったのです。パナマ国内で広まったように思えたゲイシャ種ですが、当時は魅力のない品種として人気がありませんでした。その最たる理由が収穫量です。ゲイシャは収穫量が少なく、非効率的と見放されてしまったのです。その結果、パナマではカトゥーラやカトゥアイといった高収穫量の品種によって、広まりつつあったゲイシャ種が埋もれてしまったのです。
また、パナマ以外のラテンアメリカ諸国では、1970~80年代にかけて「さび病」という植物病が大流行し、当然ながらコーヒーの生産にも支障が出てしまうことになります。そのため、収穫量も少なく病気に見舞われてしまったゲイシャは、壊滅的な状況に陥ったのです。
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